研究業績

2025/9/1

【論文出版】媒介分析に関するコメンタリー

媒介分析は、近年特に注目を集めている因果推論手法の一つです。

このたび、Epidemiologyの2025年9月号に、媒介分析に関する招待コメンタリーが出版されました。

Suzuki E.
L or M1—Critical challenges in mediation analysis.
Epidemiology. 2025;36(5):686–689.
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本コメンタリーは、以下の論文で提唱された「分離経路特異的効果」について、因果ダイアグラムなどを用いて解説したものです。

特に、時間的順序関係がある複数の中間因子を考慮する際に、媒介分析をどのように用いればよいかを論じています。

Chen Y-L, Lin S-H.
Definition and interpretation of separable path-specific effects with multiple ordered mediators.
Epidemiology. 2025;36(5):677-685.
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2025/8/29

【論文出版】救命救急科の内藤宏道先生らとの共著論文

救命救急科の内藤宏道先生らとの共著論文が出版されました。

 
Neurological outcomes with hypothermia versus normothermia in patients with moderate initial illness severity following resuscitation from out-of-hospital cardiac arrest: protocol for a multicentre randomised controlled trial (R-CAST OHCA).
Naito H, Nishikimi M, Okada Y, Maeyama H, Kiguchi T, Yorifuji T, Nishida K, Matsui S, Kuroda Y, Nishiyama K, Iwami T, Nakao A; JAAM R-CAST OHCA Trial Group.
BMJ Open. 2025 Aug 22;15(8):e101809. doi: 10.1136/bmjopen-2025-101809.

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2025/8/18

【論文出版】在胎週数に比べて小さく生まれた子(SGA児)の食事の問題について

当分野の松本尚美助教、賴藤貴志教授が、国立病院機構岡山医療センターの竹内章人先生らとの共同研究で、21世紀出生児縦断調査のデータを解析しました。その結果、在胎週数に比べて小さく生まれた子ども(SGA児)は、2.5歳時点で食欲が少ないリスクが約2倍高く、食欲にむらがあったり、落ち着いて食事ができなかったりする傾向も高いことが分かりました。この研究は、SGA児が抱える食事の課題に対する多角的な支援の重要性を示しています。

Takeuchi A, Matsumoto N, Higuchi Y, Ohyama A, Tamai K, Nakamura K, Nakamura M, Kageyama M, Yorifuji T. Small-for-gestational-age and eating problems in infants aged 2.5 years: a nationwide population-based study in Japan Early Hum Dev. 2025:106352. doi: 10.1016/j.earlhumdev.2025.106352.

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2025/7/18

門脇知花客員研究員が「日本疫学会学術総会優秀演題賞」を受賞しました

門脇知花客員研究員が、「オミクロン株流行期における抗体価とSARS-CoV-2感染の関連」の演題で、第34回日本疫学会学術総会の優秀演題賞を受賞しました。

2025/7/16

【論文出版】喫煙が加齢性難聴に与える影響:健診データを用いた縦断解析

香川県の滝宮総合病院の健診データを用い、初回健診時の喫煙状況から非喫煙、過去喫煙、現喫煙(1日10本未満/10本以上)に分類し、1,0kHzおよび4.0kHzとの聴力閾値の関連について分析しました。マルチレベル重回帰分析モデルを用いて、それぞれの喫煙状況における初回健診時の聴覚閾値の差、および加齢に関わる年次変化を評価しました。その結果、1.0 kHzでは、喫煙と聴力との有意な関連は認められませんでしたが、4.0 kHzでは、現喫煙者(1日10本以上)は非喫煙者と比べ、初回健診時の聴力閾値が2.51 dB高い結果でした(p < 0.01)。さらに年次の聴力閾値悪化は非喫煙の0.50 dB/年と比較して、過去喫煙および現喫煙(1日10本以上)でそれぞれ0.73 dB/年(p < 0.01)、0.78 dB/年(p < 0.01)と有意差を認めました。今回の研究結果は、喫煙が高音域の聴力障害と関連し、さらに加齢性難聴の進行を加速させる可能性を示唆しています。この知見は、高齢化社会における喫煙対策や、聴覚健康の維持に喫煙対策が重要であることを明らかにしました。

Uraguchi K, Sugaya A, Suzuki E, et al.
Impact of smoking on age-related deterioration in hearing: A cohort study using health checkups.
Arch Gerontol Geriatr. Published online July 7, 2025. doi:10.1016/j.archger.2025.105947
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2025/7/11

【論文出版】救命救急科の小原隆史先生らとの共著論文

救命救急科の小原隆史先生らとの共著論文が出版されました。

Compression Only CPR and Mortality in Pediatric Out-of-Hospital Cardiac Arrest During COVID-19 Pandemic.
Obara T, Naito H, Matsumoto N, Tsukahara K, Hongo T, Nojima T, Yumoto T, Yorifuji T, Nakao A.
Resuscitation. 2025 Jul 4:110706. doi: 10.1016/j.resuscitation.2025.110706. Online ahead of print.

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2025/6/13

【論文出版】若手・中堅耳鼻咽喉科医師の臨床研究に対する質問紙調査

岡山大学・関連施設に勤務する医師経験年数15年以下の耳鼻咽喉科医34人を対象に臨床研究についての背景・理解・興味についてのアンケート調査を行いました。臨床研究に対する興味や知識には個人間のばらつきがありましたが、約半数は臨床研究に興味がない、行った事がない、という結果でした。また、臨床研究に必要と考えられる統計学的知識については不足していることが明らかになりました。今後は研究支援や教育プログラムの充実などのサポートを進めていく必要があると考えられます。

浦口 健介, 頼藤 貴志, 高尾 総司, 菅谷 明子, 安藤 瑞生, 若手・中堅耳鼻咽喉科医師の臨床研究に対する質問紙調査, 岡山医学会雑誌, 2025, 137 巻, 1 号, p. 20-24

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2025/6/13

【論文出版】小児アレルギー性鼻炎と水泳の関係について

21世紀出生児縦断調査を用いて小児アレルギー性鼻炎と水泳の関係について分析を行いました。水泳は喘息などの肺機能の改善に有効と言われていますが、アレルギー性鼻炎に関しては塩素などによる影響で悪化する可能性があると言われています。本研究では学童期の水泳がアレルギー性鼻炎発症のリスクになりうることを示しました。

Uraguchi K, Mitsuhashi T, Matsumoto N, et al. Association between swimming lessons and rhinitis in school children: A nationwide birth cohort study. Int J Pediatr Otorhinolaryngol. Published online June 3, 2025. doi:10.1016/j.ijporl.2025.112415

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2025/6/11

教授の頼藤が第31回山内逸郎記念賞を受賞しました

令和7年6月8日に、教授の頼藤が第31回山内逸郎記念賞を受賞しました。受賞後、

「疫学方法論を用いた小児保健医療への関わり」というテーマで、受賞記念講演をさ

せていただきました。

 

今までご指導・ご支援頂いた全ての方に感謝申し上げます。

2025/6/6

【論文出版】水俣病における胎児期メチル水銀曝露と認知機能の関連について

水俣病において、胎児性水俣病患者の存在は注目されていますが、同時期に産まれた方への影響も懸念されています。その方たちを対象とし、メチル水銀曝露と認知機能の関連について検討をした論文が出版されました。

Yorifuji T, Yamamura Y, Nagano I, Kado Y, Shigeoka S, Fujino T.
Prenatal methylmercury poisoning and neurocognitive impairment in Minamata.
Sci Total Environ. 2025 May 28;985:179743. doi: 10.1016/j.scitotenv.2025.179743. Online ahead of print.

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