2022/1/29

【論文出版】反事実モデルにおける交絡に関して

因果推論は、医学における重要な課題です。

その際にしばしば直面するのは、交絡の問題です。

この度、曝露と非曝露を入れ替えた場合に関連指標の値が変わるか否かに基づくアプローチが、反事実モデルにおける交絡とどのような関係にあるかを論じた原著論文が、Journal of Epidemiologyに出版されました。

Suzuki E, Yamamoto M, Yamamoto E.
Exchangeability of measures of association before and after exposure status is flipped: its relationship with confounding in the counterfactual model.
J Epidemiol. 2022 (In press). (doi: 10.2188/jea.JE20210352)
本論文へのリンク

本論文の要旨は以下の通りです。

  • 対象集団で曝露と非曝露を入れ替えた場合に、関連指標の値が変わらないことがある。
  • 一般的に、曝露と非曝露を入れ替えた場合に関連指標の値が変わるときには、「分布交絡(confounding in distribution)」が常に存在する。
  • 一般的に、曝露と非曝露を入れ替えた場合に関連指標の値が変わるときには、「指標交絡(confounding in measure)」が存在するか否かは言えない。
  • 曝露と非曝露を入れ替えた場合に関連指標の値が変わらないとしても、分布交絡と指標交絡はいずれも存在し得る。
  • 本質的に、関連指標の値が変わるか否かに基づくアプローチは、交絡の定義を与えるものではない。

これらの知見は、交絡の観念を区別することの重要性を強調しています。

本研究によって、交絡の理解が深まることを期待します。

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