2012/5/21

Age-Period-Cohort分析の因果理論的背景に関するコメンタリー出版のお知らせ

時の流れとともに、ヒトの健康アウトカムは様々に変化します。このような健康アウトカムの変遷を検証するため、これまで約80年にわたってage-period-cohort (APC) analysisが用いられてきました。この度、時間の概念を整理して、APC analysisに関する理論的な背景を論じた招待コメンタリーがSocial Science & Medicineに出版されました。

本コメンタリーでは、age, period, cohortという時間の三因子を、構成要素(composition)と文脈(context)で区別すること、及び、その概念化によりAPC analysisにおける仮想介入に重要な示唆が得られることを論じています。加えて、時間の操作可能性について言及しています。最後に、文脈の主要な三次元として、relational dimension, spacial dimension, temporal dimensionという概念モデルを提唱し、マルチレベルでの因果律を論じる際には、文脈の三次元を念頭に置くことが重要であることを提言しました。

Eco-epidemiologyという因果律の新たな時代において、マルチレベルでの因果律の重要性が指摘されています。本コメンタリーが、時間という概念の重要性を再認識するうえで役立つことが期待されます。

Suzuki E.
Time changes, so do people.
Soc Sci Med. 2012 (in press) (doi: 10.1016/j.socscimed.2012.03.036)

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