2012/3/3

本邦における社会的・地理的健康格差の変遷に関する論文出版のお知らせ

健康格差は、全世界的に大きな学術的・社会的な注目を集めている論点です。この度、本邦における社会的・地理的健康格差の変遷について検証した論文がBMJ Openに出版されました。本研究は、ハーバード大学、広島大学の研究者らとの共同研究です。

近年、本邦における健康格差の拡大が懸念されていますが、これまで、この論点を詳細に検証し議論した研究は皆無でした。本研究では、成人の早期全死因死亡をアウトカムとして用いて、1970年から2005年の35年間にわたる健康格差の変遷を評価しました。結果として、男女とも、社会的にも地理的にも健康格差が広がっていること、また、本邦における社会的健康格差の変遷は、欧米諸国で一般に見られるパターンとは異なることが示唆されました。

特に、2011年には日本の皆保険制度が50周年を迎え、本邦の健康政策に対する関心は世界的に高まっています。本研究が、本邦における健康格差に関して有用な知見を与えることが期待されます。

Suzuki E, Kashima S, Kawachi I, Subramanian SV.
Social and geographic inequalities in premature adult mortality in Japan: a multilevel observational study from 1970 to 2005.
BMJ Open. 2012;2:e000425. doi:10.1136/bmjopen-2011-000425

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