2010/12/20

メチル水銀曝露存在下での胎児期鉛曝露と認知機能の関連に関する論文掲載のお知らせ

メチル水銀の健康影響を評価するために立ち上げられたファロー諸島のコホート研究のデータを用い、メチル水銀曝露存在下での胎児期鉛曝露と認知機能の関連を検討いたしました。対象者全体で検討すると、明らかな関連は見られないのですが、メチル水銀曝露が低い集団では、メチル水銀と鉛の交互作用を入れると、鉛の認知機能への影響が見られました。この研究は、その他の汚染物質がある場合は曝露の影響を見落とすことがあること、また臍帯血の鉛濃度16μg/Lという濃度でも胎児期鉛曝露の認知機能への影響があることを示しています。

Yorifuji T, Debes F, Weihe P, Grandjean P
Prenatal Exposure to Lead and Cognitive Deficit in 7- and 14-Year-Old Children in the Presence of Concomitant Exposure to Similar Molar Concentration of Methylmercury
Neurotoxicology and Teratology (published online)

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道路近傍への居住と早産に関する論文掲載のお知らせ

Major road近傍に居住している母親とそうでない母親の早産出産の違いを検討いたしました。早産でも週数の若い早産、また母親の疾患別の早産でどの早産が増えているかも検討いたしました。結果として、大きな道路近傍の居住者の方が早産を多く経験しており、若い週数の早産も多く出生していました。また、妊娠高血圧などを合併した早産が多く産まれていました。大気汚染が早産と関連していること、また可能性のあるメカニズムを示しています。ちなみに、下記の記事にも紹介されています。
http://www.reuters.com/article/idUSTRE6B04WC20101201?pageNumber=1

Yorifuji T, Naruse H, Kashima S, Ohki S, Murakoshi T, Takao S, Tsuda T, Doi H
Residential Proximity to Major Roads and Preterm Births
Epidemiology 2011; 22: 74-80

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オセルタミビルと異常行動に関するレター掲載のお知らせ

以前、オセルタミビルと異常行動に関して再解析の結果を提示いたしましたが(Epidemiology. 2009;20:619-621)、その再解析方法の概念自体には納得するが、バイアスを混入する可能性があるという指摘がありましたので、それに対して返答のレターを書きました。主には、異常行動が発熱からの時間と関係がある場合の問題点や内服と発症の時間関係不明の方の取り扱いに関する問題点でしたが、そのような指摘を考慮しても結果は変わらないということを示しています。

Yorifuji T, Suzuki E, Tsuda T
Oseltamivir and abnormal behavior
Epidemiology, 2010; 21: 916

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ヒ素混入ミルクとがん死亡の関係に関する論文掲載のお知らせ

岡山県において、ヒ素混入ミルク世代とそうでない世代のがん死亡率を比較した研究が出版されました。一方は、5歳区切りの動態統計を利用した研究で、もう一方は生存日まで考慮に入れ検討をしたものです。両者とも、乳幼児期での一点曝露による肝臓がん、すい臓がん、血液腫瘍との関連を指摘しています。ただ、両者ともエコロジカル研究であり、今後の個人対象の研究が必要だと思われます。

Yorifuji T, Tsuda T, Grandjean P
Unusual Cancer Excess after Neonatal Arsenic Exposure from Contaminated Milk Powder
(Journal of the National Cancer Institute, 2010; 102: 360-361)
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Yorifuji T, Tsuda T, Doi H, Grandjean P
Cancer excess after arsenic exposure from contaminated milk powder
Environmental Health and Preventive Medicine (published online)
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2010/12/17

Sufficient-cause modelとPotential-outcome modelの対応に関する論文掲載のお知らせ

Sufficient-cause modelとPotential-outcome modelは、因果律を扱う際に根幹をなす、二つの重要なモデルです。この度、両者の対応関係を論じたResearch LetterがEpidemiologyに掲載されました。本論文は、二つの二値曝露変数と、二値アウトカム変数を考慮する場合を例として取り上げ、両モデルの対応関係を、完全な対応表を用いて論じています。このことにより、positive monotonicityとno preventive actionという二つの概念の違いを明確に理解できるように助けられます。また、特定のResponse typeやRisk-status patternの同定可能性に関する疫学方法論・因果推論の新しい知見を補完するうえでも有用なものと考えられます。本稿で提示している対応表が、今後、因果律を扱う際に有用な手引きになることを期待しています。

Suzuki E, Yamamoto E, Tsuda T. On the link between sufficient-cause model and potential-outcome model. Epidemiology. 2011;22(1);131-2.

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対応表へのリンク(online appendix)

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