2014/4/29

看護職員の地理的分布の推移に関する論文出版のお知らせ

わが国における看護職員の地理的分布の推移について検討した論文が Acta Medica Okayama に出版されました。

近年、医療政策上の課題として医師をはじめとする医療人材の全国的な分布や偏在が挙げられています。医師や歯科医師等についてはいくつかの研究報告がなされていますが、看護職員の分布や偏在について系統的に行われた研究は認められていません。

本研究では2000年から2010年の間における看護職員の地理的な分布の傾向を評価し、その間に施行された医療政策や社会問題などがどのように分布に影響するのかについて考察しました。各都道府県の保健統計より二次医療圏単位での看護職員の分布を算出し、ジニ係数を用いて偏在について評価しました。また、経時的な分布の推移を評価するためマルチレベル分析を行いました。結果として、看護職員数の増加と比較すると偏在の改善は顕著に認められず、医療政策や社会問題が看護職員の分布に影響を及ぼす可能性が示唆されました。また、人口密度を調整した上でも都道府県庁所在地を含む二次医療圏に有意に看護職員が集まる傾向が示唆されました。

さらなる詳細な検討が望まれるものの、本知見は、均等な看護職員の分布を実現するためには何らかの介入が必要であることを示唆していると解釈されます。

Izutsu M, Suzuki E, Izutsu Y, Doi H.
Trends in geographic distribution of nursing staff in Japan from 2000 to 2010: a multilevel analysis.
Acta Med Okayama. 2014:68(2):101-110.
本論文へのリンク


看護職員の地理的分布の推移に関する論文出版のお知らせ はコメントを受け付けていません

2014/4/4

大気汚染曝露と循環器疾患による救急搬送の関連に関する論文出版のお知らせ

大気汚染曝露と循環器疾患による救急搬送の関連を検討した論文が Stroke に出版されました。

最近、大気汚染物質曝露の健康影響が懸念されており、国内でも大気汚染物質への急性曝露と疾病別死亡の関連は評価が行われ、関連が指摘されてきています。しかしながら、疾病罹患との関連を検討した研究はいまだ少なく、さらに、大気汚染物質曝露と疾病罹患との関連の検討を行う際に、日単位の解析ではなく、時間単位の解析を行っている研究は国外でも数が限られています。本研究では、岡山市の救急搬送データを利用し、大気汚染物質急性曝露と循環器疾患、特に脳血管疾患との関連を検討しました。結果として、オキシダント以外、0-6時間前の大気汚染物質曝露が循環器疾患による救急搬送と正に関連していました。具体的には、0-6時間前の浮遊粒子状物質が20.6 μg/m3上昇することによる調整オッズ比は、1.04(95%信頼区間:1.01-1.06)でした。これら正の関連は、脳血管疾患、特に出血性脳疾患でも観察されました。大気汚染は、曝露後すぐに循環器疾患や脳血管疾患による救急搬送のリスクを上昇させると考えられます。

Takashi Yorifuji, Etsuji Suzuki, Saori Kashima.
Cardiovascular Emergency Hospital Visits and Hourly Changes in Air Pollution.
Stroke. 2014;45(5):1264-1268. doi: 10.1161/​STROKEAHA.114.005227
本論文へのリンク (PubMed)
PDFはこちらより入手できます


大気汚染曝露と循環器疾患による救急搬送の関連に関する論文出版のお知らせ はコメントを受け付けていません

2014/4/3

訪問診療患者の在宅死成立因子に関する論文出版のお知らせ

訪問診療患者の在宅死成立因子を検証した論文がGeriatrics Gerontology Internationalに出版されました。

わが国では在宅医療を行う診療所が増加する一方で、在宅死は増加していない状況にあります。この状況を踏まえ、一在宅療養支援診療所の訪問診療患者データを用いて後ろ向きコホート研究を行い、ADL低下と在宅死の関連を検討しました。対象患者をADL高度低下の有無で二群に分け、コックスの比例ハザードモデルを用いて、高度ADL低下による在宅死発生ハザード比を求めました。その結果、高度ADL低下の在宅死発生に対する調整ハザード比は4.41 (95% CI: 2.37-8.16) と、統計学的に有意に高い結果を示しました。がんの有無で層別したサブグループ解析を行ったところ、がん有のサブグループでは5.64 (95% CI: 2.47-12.91)、がん無のサブグループでは11.96 (95% CI: 3.39-42.15) という結果になりました。がんがある患者に比して、がんがない患者においてADL高度低下と在宅死の関連が強いことから、訪問診療により、末期がんだけではなく、非がん寝たきり患者の増加の可能性が示唆されました。

Seiji Kawagoe, Toshihide Tsuda, and Hiroyuki Doi
Study on the factors determining home death of patients during home care: A historical cohort study at a home care support clinic
Geriatrics Gerontology International 2013;13:874-880.

本論文へのリンク


訪問診療患者の在宅死成立因子に関する論文出版のお知らせ はコメントを受け付けていません

Page Top