2019/8/19

新教授より御挨拶

2019年8月1日付けで疫学・衛生学分野教授を拝命した頼藤貴志(よりふじたかし)です。当疫学・衛生学分野は、1922年に緒方益雄初代教授により、衛生学講座(1922-2000年度)として新設され、その後時代の要請に応え、衛生学・予防医学分野(2001-2007年度)、疫学・衛生学分野(2008年度-)と名称を変更してきました。森永砒素ミルク中毒事件、プライマリ・ケア、メンタルヘルス、公衆衛生学コース(Master of Public Health Course)など、その時代の公衆衛生上重要な問題に取り組み、先駆けとなるような活動を行ってまいりました。詳しくは、同門会の項をご覧ください。

さて、当教室の分野名にあります疫学とは、医学における基礎的方法論の一つであり、集団のデータを用い、疾病の分布を描写したり、原因と結果(疾病など)の関連、即ち因果関係を追及・定量化したりする学問です。医学の様々な分野のテーマ(例:小児科、内科など)が横軸だとしますと、疫学などの基礎的方法論は縦軸であり、それらが交差したところに研究が生じます。その為、我々の教室は疫学を共通言語とし、医学・公衆衛生学全般、特に疫学理論、産業保健、環境保健や小児保健、また臨床研究のサポートなど医学における幅広い分野に関わった研究を行っています。

また、教育におきましても、疫学を柱とし学部や大学院教育に関わっています。学部教育では、とかく臨床医学に目が行きがちな医学生に医学を幅広い、また疫学的な視点で見るパブリックヘルスマインドの醸成を目的とし教育を行っています。また、大学院教育では公衆衛生学コースや博士課程の教育を通し、医師を始め様々な医療関係者を対象として、疫学・医療統計学の素養の醸成や仮説立案・分析・論文化ができる医療人育成をめざしております。

最後になりますが、水俣病に生涯関わられた、私の恩師の故原田正純先生が「現場を忘れた疫学はきらめきと真実を見失う」とおっしゃっていました。疫学とは、現場に根差し仮説を立案し、そこにある医療や医学の真理を追究する時こそ力を発揮するものだと思います。少子高齢化やグローバライゼーション、リアルワールドデータの集約など医学・医療を取り巻く状況は大きく変わろうとしています。そのような状況の中、疫学が果たすべき役割は益々大きくなるのではないかと思います。同門の諸先輩方の伝統を引き継ぎ、疫学を軸に日本や世界の医学・公衆衛生に貢献できたらと考えております。そしてそれは岡山大学が取り組む「持続可能な開発目標(SDGs)」の1つである「3.すべての人に健康と福祉を」に貢献するものであると考えます。今後も教室員共々ご指導頂けましたら幸いです。

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