2021/6/6

藤本竜平院生が、第116回・第118回日本循環器学会 中国・四国合同地方会で若手研究者奨励賞を受賞しました

2021年6月にオンラインで開催された第116回・第118回日本循環器学会 中国・四国合同地方会において、藤本竜平院生らの演題が若手研究者奨励賞(YIA)に選ばれました。

藤本竜平,鈴木越治,中村一文,頼藤貴志,伊藤浩.
高齢者における夏季の時間別気温変動と虚血性心疾患による救急搬送との関連.
第116回・第118回日本循環器学会 中国・四国合同地方会,2021年6月5–6日.
Program book P. 30 (Y08)

暑熱曝露は心血管疾患発症のリスク因子とされており、虚血性心疾患発症にも影響するとされます。

本研究は、高齢者における高気温と虚血性心疾患発症との時間層別の関連を評価しました。岡山市における夏季(6-8月)に救急搬送された65歳以上の高齢虚血性心疾患を対象としたケースクロスオーバー研究による条件付きロジスティック回帰分析を行いました。

気温30度以上の場合に疾患発症のオッズ比上昇を認め、男性でその影響がより強かったです。さらに同気温における疾患発症前の時間間隔毎の解析では覚知48から71時間前にオッズ比 1.16 (95%信頼区間: 1.03, 1.30)と上昇を認めました。

地球温暖化により日本でも極端な猛暑日が増加しています。本研究を通して、高齢者が暑さに晒された2-3日後の虚血性心疾患遅延発症リスクの認識は、循環器救急体制、高齢者への暑さに対する予防啓発(真夏日における室内温度の適正化や不要な外出の制限など)に重要と考えられます。

気温などの環境因子は内因性疾患に多面的な影響を及ぼし、その関連性は一定ではありません。今後も変化し続ける環境因子が疾病に及ぼす影響について引き続き研究を進めていく必要があります。

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