2014/2/5

社会経済的状態と死亡との関連に及ぼす健康行動の影響に関するコメンタリー出版のお知らせ

近年の疫学理論の発展に伴い、実証研究で得られた結果を報告する際に、様々な感度分析を行って研究結果の妥当性や頑強性を高めることが広まっています。特に、これらの高度な分析手法によって、「古典的」な研究仮説に対して新たな洞察が得られることも期待されています。

この度、社会経済的状態と死亡との関連に健康行動がどのように関与しているのか、という古典的な社会疫学研究において、感度分析等の新たな手法がどのような新たな洞察を与えるか、というテーマに関するコメンタリーが、EPIDEMIOLOGYに出版されました。本コメンタリーは、パリのInsermの研究者らとの共同執筆です。

コメンタリーの対象となった論文では、marginal structural models (MSMs) を用いて時間依存性交絡因子の調整を試みたほか、変数の測定誤差に関する感度分析を行うなど、様々な手法を用いて古典的な研究仮説を検証していました。本コメンタリーでは、これらの手法を用いることにより、どのような示唆が得られるのかについて論じるとともに、因果論の観点から、本研究テーマの結果の解釈には注意が必要であることを論じています。一連の論文が、今後の疫学研究に重要な示唆を与えることが期待されます。

Chaix B, Evans D, Suzuki E.
Socioeconomic status, health behavior, and mortality: old question plus modern methods equals new insights?
Epidemiology. 2014;25(2):178-181.
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